MS/NMO

●MS/NMOの治療のまとめ

治療選択肢の比較(外部リンク、表1MS、表2NMO)

まとめの表がわかりやすいです


●MS

①MSの治療のまとめ(治療選択肢の比較、表2)


急性期

ステロイド:再発時には効果がある。再発予防の効果はない。


再発予防

インターフェロンβ、グラチラマー酢酸塩:自己注射製剤。免疫抑制の副作用は少ない。

フマル酸ジメチル、フィンゴリモド:内服だが、免疫抑制の副作用がある。

ナタリズマブ:4週間に1回の点滴。効果は強いが、PMLなどの重篤な副作用がある。


外部リンク:治療法一覧

個別の治療について、各論的なことが書いてあります。


②MSの診断基準

診断基準について解説してあります。

空間的時間的多発性についての解説がないと、わかりくいので、知らない人は以下を呼んでからでいいと思います。


*マクドナルド基準での MSの診断のキーとなる概念 

「空間的、時間的」多発性について

 2-1)「何か所も」 (DIS)

画像で判定できる 特徴的な領域が知られている(MSの典型画像


 2-2)「何回も」 (DIT)

初診時に1回の画像で診断することを目指して作られている。


*「病歴の本人の記憶に頼ると再発かどうか曖昧になる」という問題がある。 

そこで、画像上でDITの定義を便宜的に以下のように定めた。

①あらためて取り直したら増えた 

②新規と陳旧がある:造影と非造影病病変の共存

(②は、脳梗塞の1回の画像で、DWIとT2があると再発があったと判断するのと同じ) 


●NMO

①NMOの治療のまとめ


急性期

ステロイドに加えて、重要例は血漿交換


再発予防

ステロイド/免疫抑制剤


*AQP4陽性例については選択肢が増えた(治療選択肢の比較、表2)


②NMOの診断基準

視神経炎、脊髄炎があること、AQP4抗体が陽性であることが重要です。


*重要な概念

LCL:long cord lesion、3椎体以上に連続する髄内MRI病変(画像)。NMOに特徴的であるとされています。

視神経炎症(画像)、MOG陽性の人の視神経炎の画像がでています

AQP4抗体

MOG抗体



●MSの治療各論

ジレニア導入:P25にフローチャート

投与 0.5mgを1日1回 


機序: S1Pに作用し、免疫を調節 

主な副作用: 感染症、徐脈、黄斑浮腫の他、悪性リンパ腫、PRES


慎重投与: 水痘、帯状疱疹、麻疹、風疹の既往がなく、予防接種していない 

不整脈の既往 

糖尿病、ブドウ膜炎 

妊娠にはだめ、NMOにもだめ 


導入:入院して心電図モニター


フォロー 

2週間: 

リンパ球減少>採血 リンパ球が2回続けて(2週間後)200mmを下回った場合は、投与を見合わせ、600mmまで待つ。 


3-4か月後: 肝機能酵素上昇>採血 

眼底検査(黄斑浮腫が出るため)(糖尿病、ブドウ膜炎の人はリスクが高い) 


* 2週間以上開けての再投与の場合は、初回と同じように入院 


タイサブリ導入:P7

JCVの測定と同意書取得が必要


テクフィデラ導入:P6

リンパ球のフォロー


ケシンプタ適正使用

ケシンプタ自己注射


神経学会のガイドライン


・視神経炎

眼底写真1

眼底写真2

眼底写真3

*いわゆるtempral pallorの耳側とは、黄斑側のこと。


Marcus Gunn瞳孔、Relative Afferent Pupillary Defect (RAPD)(リンク)


MRI所見

治療選択


スコアリング

EDSS

FS


Dural AVF

画像の比較

総説