CBD(大脳皮質基底核変性症)

CBD(大脳皮質基底核変性症)についてみてみましょう。

CBDは、皮質症状(運動失行)+パーキンソニズム(基底核症状)によって特徴付けられる疾患とされています。

なお、オリジナルの症例が報告されてから、多くの例が報告されましたが、その後明らかになったことは、画像診断を用いても、臨床診断がむつかしい、ということです。

背景として、臨床診断CBDでも、剖検所見したら別疾患が多く、これまでにさまざまな診断基準が提案されたが、感度と特異度がトレードオフになって、しまうため、確固としたものができなかったという背景があります。このため、CBS(cortico-basal syndrome)というくくりができました。これは、「剖検所見をゴールデンスタンダードとして、臨床診断はCBSというなまえでくくってしまう」という考え方のもとに創られた言葉です。

b、特徴的身体所見としては、

パーキンソニズムがあり、左右差が特徴とされています。

特異的なものとしては、失行(観念運動運動、肢節運動失行)、他人の手徴候があります。これについては、項を改めて説明していますので、下のキーワードからリンク先をご覧ください。


c、鑑別のポイントですが、MRI、SPECT画像で左右差が、みられることが特徴とされています。

典型例は、下のリンク先をご覧ください。

なお、こういった画像所見に神経所見を駆使しても、臨床診断はむつかしいとされています。これに伴い、これまでに様々な診断基準が提案されてきました。診断基準の変遷に、興味がある人は、リンク先の総説を参照ください。

d、標準治療ですが、確立したものはありません。


<キーワード>

運動失行(リンク)

他人の手徴候(リンク)


<外部リンク>

・診察動画

左右差のあるジストニア

0:00 右上肢のジストニア

1:15 右上肢のジストニア、2:15 fox signをつくってる


左右差のある運動失行

0:00 左上肢の失行がある


alien hand

0:00 post stroke 左手の症状 右手の邪魔をしてしまう(拮抗失行のような状態+他人のようにふるまう)。

post strokeの症例で、左手の症状です。 左手が、右手のティッシュを横取りして、邪魔をしてしまうという状態です。 本人が、左手に「それは、私のテイッシュだやめろ」と話しかけています。

*なお、Alien handの定義は、歴史の中でかなり変遷したこと、印象的な名前から混同されやすい用語であることが知られている。定義は、「身体失認+不随意運動のどちらを強調するか」の立場が異なる。

alien handと他人の手徴候の歴史的変遷


MRI画像

画像で左右差が、みられることが特徴とされています。


診断基準の変遷

Armstrongの診断基準までの変遷を確認できます




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