I、圧迫性ニュロパチーについてみてみましょう。
a、病態ですが、これは、圧迫による末梢神経障害です。
解剖的に、神経を狭いところや、体表に近いところの神経が障害されやすく、出やすい場所が決まっており、部位によって、名前がついています。
(下記に列挙しています。解剖的位置については、リンク先をご覧ください。)
b、特徴的身体所見は、Tinel兆候が陽性で、圧迫部位をハンマーでたたくと、異常感覚が増強することがあります。
実際は、解剖学的な特徴に一致した感覚障害の分布がみられれば、圧迫性ニューロパチーを疑います。
c、鑑別のポイントですが、圧迫病歴後(臥床後)のことが多いものとしては、橈骨神経麻痺、総腓骨神経麻痺があります。
これは、寝て起きたら、手が上がらなくなった、足が上がらなくなった、という病歴があり、診断に至ることが多いです。
一方、他のものは慢性的な経過で目立ってくるものが多いです。例としては、手根管症候群は、正中神経領域の親指に異常感覚を認め、徐々に範囲や症状のある時間が長くなってきて、筋力低下をきたす、ということが多いです。
d、標準治療ですが、保存的治療として、圧迫部位を刺激しないようにやすめる、ということが行われます。
しかし、症状の進行が見られる場合は、手根管症候群や肘部管症候群は除圧の手術が必要な場合があります。
<外部リンク>
説明のページのリンクをはっておきます。
解剖学的な機序と症状を確認できます。
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