薬剤性ニューロパチー

Fの薬剤性ニューロパチーについてみてみましょう

a、病態としては、抗がん剤や抗結核薬使用後に生じるものです。

抗がん剤では、肺がん、乳がん、抗結核薬では、イソニアジド使用後のものに出会うことがあります。

b、特徴的身体所見としては、いわゆるglove and stocking型の感覚障害が優位のことが多いです。

異常感覚をきたすものや、深部感覚障害をきたすものがあります。

深部感覚障害をきたすと、歩行時のふらつきや、食器を落としやすい、などの症状で気が付く人もいます。

なお、深部感覚障害がきつい場合は、いわゆるLomberg兆候が陽性になることがあります。

F、薬剤性ニューロパチーの鑑別診断ですが、投与歴が重要です。

多くの場合は、薬剤を投与した先生が、副作用が出やすいことを知っているため、気が付いて紹介いただくことが多いです。

d、標準治療としては、対症療法がおこなわれます。

多くの場合は、原疾患の治療継続が優先されます。

異常感覚がある場合は、内服として、リリカや、タリージェといった薬が試みられます。

深部感覚障害は内服での治療はむつかしいので、生活用品を扱いやすいものにするなどで対処します。

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