NPH(正常圧水頭症)

a、病態

水頭症により、3兆候(歩行障害、認知症、排尿障害)をきたすとされています。

なお、「特発性NPH」とは、続発性となるような原因がないことを指します(既往に感染、出血歴なし)

b、特徴的身体所見

歩行は、「マグネット様歩行」と形容される歩行を呈するとされています。

パーキンソニズムのすくみに、すり足をきつくしたような歩行です。

下のリンク先の動画で確認できます。


c、鑑別のポイント

高齢の場合は、ADやPSPの合併が問題になります。

表4に診断基準が載っています。


d、標準治療

タップテストという髄液を抜く検査で症状が改善した場合は、シャント術が有効とされています。


<キーワード>

タップテスト(外部リンク)

髄液を抜いて、歩行障害、認知機能の改善を見ます。


Evans index

側脳室前角と頭蓋内腔の比です。大きい方が悪く、0.3以上で有意です。


DESH(Disporoportionately Enlarged Subarachnoid-space Hydrocephalus(DESH))

冠状断で、脳の頭頂部がつまっているのに、シルビウス裂が開いていることです。


<外部リンク>

歩行障害の動画を確認できます。

Magnetic gait(外部リンク)


診断基準のアルゴリズムです。

診断基準ガイドライン


画像のDESHの意味やEvans indexを確認できます。

NPHの画像


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