ミオパチーの解説

この章の筋炎、ミオパチーについて全体像を見ていましょう。

筋炎については、別のページで解説しています)


皆さんですね筋、疾患を大雑把に、上のように、理解されていると思います。

まず、CK正常の疾患として、代表例として、MG、LEMS(レムス)といった疾患であったりとかミトコンドリア脳筋症というものが挙げられると思います。

CKが高くなる疾患としては、免疫介在性の病気としては、いわゆる筋炎ですね

慢性的な経過をたどるものとしては、ミオパチーという風に分けられてるんじゃないかと思います。

実際ですね、印象的にもこのように区別して診断行なってることが多いです。

ここではですね、いわゆるミオパチー、これが非常に様々な疾患が含まれるんですけども

筋炎ですとか、MGといったものを除いた慢性的な信仰をたどる筋疾患をミオパチーと呼んでいますこれについて、見ていきましょう。

で、ミオパチーはですね診断がつかないといったケースも珍しくはないんですけども1通りの検査をすると比較的診断が可能なミオパチーていうのもありますのでこれについて押さえておくことは重要です。

Dの筋緊張型ジストロフィーですね。特徴的なミオトニアから診断可能であることが多いです。

Eの筋ジストロフィーですね。デゥシャンヌ型、ベッカー型といったものが有名ですけどこれはですねどちらかというとお子さんの時から異常指摘されてること多いですので成人の時初発というのは珍しいかもしれません。

あとHのポンペ病は成人の場合ですと極めて稀なんですけども治療がある疾患ということとスクリーニング可能な疾患ということで押さえておく必要がある疾患です。

上記の疾患にですね分類されないミオパチーには、肢体型筋ジストロフィーといった診断をされることが多いです。

ミオパチーのケースが入院してきた場合というのは以下のような流れになることが多いです。

一般的な検査の確認ですね。病歴・家族歴を確認して採血・心電図・MRIといった侵襲性の低い検査のスクリーニングを行います。

場合によってはここでポンぺ病のスクリーニングを追加する場合もあります。

筋生検適用なんですけども、手技自体はですね形成外科行ってくれるんですけども、

まあ場合によってはですね筋生検に適した部位がないという場合もありますのでこの場合というのは経過をみながら時期を見て筋生検を行うと言った場合もあります。

筋強直性ジストロフィー特徴をあげています。

病態は、遺伝性疾患で、ミオトニーが特徴です。

特徴的な顔貌とミオトニーの症状があるということが言われてもらいまして典型的なケースですとも症状だけから診断することも可能な疾患です。

鑑別としては筋生検は、最近はあまり行うことがなくって筋電図や、遺伝子診断といったことで確定診断が可能です。

Eは、筋ジストロフィーですね。

筋ジストロフィーはかなり広い意味で使われるんですけども、狭い意味で使われる場合は、いわゆるデュシャンヌ型とベッカー型と呼ばれるものを指していることが多いです。

デュシャンヌ型は小児のころに発症してることが多いですので、成人の時に初発ということはあまり考えなくて良いんですか、ベッカー型ですと、軽症ですので、成人期に入った頃初めて診断されると思っていたケースもあるかもしれませんが、多くの場合小児科からの引き継ぎといったケースが多いです。

成人発症で、ほかのミオパチー、慢性経過をきたすようなミオパチーで名前を付けられるものが否定的な場合は、いわゆるリムガードル(肢体型)と総称されることが多いです。

リムガードル(肢体型)は、その中で細かく分かれてるんですけども名前がつけられないものというケースも多く存在します。

筋ジストロフィーと言われるものは特徴としては、Bの身体所見ですけども、近位筋の進行性の疾患で高CK血症となってるということです。

ただこの中には、様々な原因が含まれているということも注意することが必要です。

鑑別としではですね、筋電図で、筋原性の変化を認められるということ既知の遺伝子診断可能な場合は、こちらので診断をするということは可能な場合もありますがまだにですね診断がつかないといったケースも多く存在しています。

治療は対症療法が中心になります。

Fのミトコンドリア脳筋症には有名で、かつ臨床的に重要なものとしてあるものとして、メラス(MELAS)は脳卒中の症状を繰り返すということが知られていて成人期での発症と言ったことも珍しくありませんので押さえておく必要があります。

MERRF(マーフ)やCPEOといった疾患カテゴリーもありますが、(MERFは)どちらかと言うと進行性のてんかんで発病のケースが多いと疾患です。

Bの新身体所見としては低身長・難聴・知能低下がありますけどもあまり典型的な症状をきたさない場合もあります。

このうち一つがですね年齢の割には背が低い、年齢の割に難聴があるといったものがある場合はこういった疾患を疑って

家族歴を聴取する必要があります。

Fのミトコンドリア脳筋症の続きです。

検査所見としては、血清髄液では、乳酸・ピルビン酸値の上昇が有名です。

頭部のMRIで特徴的な画像所見をきたすものもあります。

筋生検でのragged red fiber(ラジトレッドファイバー)あるいは、遺伝子診断というものが有効です。

ミトコンドリア脳筋症でも遺伝子が特定できないようなケースがあったり臨床的には、ミトコンドリア脳筋症なんだけども、筋生検でも、典型的なragged red fiber(ラジトレッドファイバー)が検出できないといったケースもありますので最終的には臨床的に診断されているといったケースが多いかと思います。

Hのポンぺ病ですね。

これはアルファグルコシターゼ欠損によって起こる進行性の筋疾患

ですけども、頻度は出て極めてまれなんですが治療法があるということで認識しておく必要がある疾患です。

特徴なんですけども、あまり臨床的な特徴はないという風に言われていて、肢体型筋ジスと非常に似ていてこれといった特徴がないということが言われてます。

文献的に言われてることですね、呼吸器不全で初発と言ったケースが珍しくないといわれていますので、比較的ADLが良いのに呼吸不全があるII型呼吸不全で、CO2貯留であったりといったもので気づかれるといったケースがあるということが昔から知られています。

ろ紙血のスクリーニングということでこの疾患を調べることができます。

筋生検もですねある程度有効なんですが成人のポンぺ病は典型所見が出ない場合があるので、ろ紙血の方がむしろ有効だということが知られています。

遺伝診断で確定された場合には酵素補充療法にいきます。


解説は、こちらの本の内容に沿って行いました(病棟にもあります)。


・ミオパチーに関連したページ

ポンぺ病のろ紙血のページ

筋生検の準備

筋生検の受け取り


外部リンク

・IBMについて

IBM診断基準(外部リンク)


IBMまとめサイト(外部リンク)

筋力低下分布・病理像を確認できる


IBM総説(外部リンク)

青木先生による解説


・筋強直ジストロフィー

ミオトニア動画(外部リンク)

・その他

高口蓋(外部リンク)


ワシントン大学筋疾患サイト

MRIによる分類